2013年5月5日日曜日

東大も農大も行ってきたところですが、そもそもきっかけだったのはこの本だったんですね。昔奥本大三郎訳のファーブル昆虫記を買ってもらって読んでたのですが、そこに出てくる絵とか、理科の教科書とかに載ってる標本の絵って細かくてきれいだなーって思ったことはないでしょうか。この方はまさにそういう絵を描いていて、どうやって描くんだろうと不思議に思っている人にはまさに当てはまる本になっています。
生き物の描き方とありますが、描画に関するテクニカルな話はメインではありません。大半は、描く対象となる生き物にどう対峙するのか、ということが本人の経験をもとに描かれています。例えば、なんでこれをスケッチするのか、多分記録する必要がある特徴なり特異な点があるからこそなのですが、それがわかってないといけないし、また、どうやってスケッチするのか、足はどこから何本生えているの?とかいうことがわかってないと、あのような、きれいで明晰な形にはならないのだと思います。
体の構造をわかってないと、とりあえず見たままに描こうとしてしまいますが、それでは曖昧な絵になってしまうのだと思います。自分も蝶を描いたことがありますが、汚くなってしまうんですね。そのまま描くのとは違うんだ、というようなことをご本人も「ウソをつけ」という言葉で述べていますが、自分はそういうことなのだと思いました。
あと、絵とは関係ないのですが、昆虫の体の構造についてとても面白いことが書いてあって、参考文献を見ると『昆虫の誕生』という本に詳しく書いてあるらしいので、そちらもぜひ読んでみたいと思いました。


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