2009年5月24日日曜日

『やし酒飲み』を読みました

これは非常にイイ。おすすめです。図書館で何気なくめくってみて、冒頭から一気に惹き付けられました。この「グイグイ惹く感じ」は去年ゴーレムを読んだとき以来の手応えでした。文学の面白さってこういうところなのかなあとおもいます。でも自分でもこの「グイグイ惹く感じ」が一体なんなのかよくわかりません。同じ本でも他の人だと感じなかったりするようなので、おそらく本のないようではなく自分自身に起因するものかと思われます。
というのは、一体話のどの部分にどこにその感じが読み取れるのだろうかと読み返してみてもいまいちわからないんですね。たぶん初見で一番強烈に感じるものなのでしょう。
おそらく自分の中の期待がぐんと高まっていくからではないのだろうかとも思います。

だとすると、逆に作り手のことを考えると、面白い話を作るっていうのは本当に難しいことなのだなと思います。面白い作品を作りたいと思うなら、それをその作品の中に混めるのではなく作品を通して相手の心の中に混めなくてはならないということになるからです。でも今はそんなに小難しく考えなくとも、自分が楽しむことを第一に考えるべきだと自分には言い聞かせます。

さて、無駄話はさておき『やし酒飲み』は本当に面白い話です。

私なりに「ぐいぐい惹く感じ」のひとつの理由を考えてみました。冒頭の部分は非常に素朴な文体で淡々と書かれています。そして淡々としていながら、あるいはしているからこそなのかもしれませんが、まったく先が読めない。私たちは、映画や小説を見るのに慣れっこになってしまって無意識に文脈を読んでしまうと言う悪いくせがついています。ありきたりの文脈を裏切ってくれるから僕は惹き付けられたのかもしれません。

2009年5月17日日曜日

Me+Sci news について


ミーサイニュースは、日本化学未来観の広報誌です。たまたま図書館で手に取って、結構面白いと思ってそのあとも図書館に行くたびに探していたんですが、なかなか新しい号がみあたらなかったので、ネットで調べたら、バックナンバーがダウンロードできるようになってました。書評とかも、興味深いものが多くて軽く目を通す感じで見ても楽しめます。ブルース・チャトゥインの『ソングライン』という本もここの書評で知って読んでるとこなんですが、面白いです。
http://www.miraikan.jst.go.jp/linkage/goodstool/mesci.html

2009年5月9日土曜日

松嶋×町山 未公開映画を観るテレビ

4月は新番組の季節ですね。毎週楽しみにしている番組があると生活にもハリがでるってものです。ドラえもんのクロマキーの話のときに、たしか30巻くらいだったと思うのですが、冒頭の部分でのび太が毎週楽しみにしていた番組「ミケちゃんまん」を観るために走って家に帰る場面があるのですが、そういえば最近はそういうことないなーと思いました。楽しみならビデオとかに撮ればいいやって思うし。
小学生のときには王様のレストランとか毎週楽しみにしてみてた記憶があります。
「松嶋×町山 未公開映画を観るテレビ」はちょっと観ようかなと思う番組です。先々週は「イエスマン」っていう人のことをやってたんだけどすごくおもしろかったです。こんな人がいるんだなーとおもって。町山さんの話も面白いし。東京MXて通販の番組とか多いけどたまに面白い番組やってます。
番組のページ→
町山さんのブログも面白いです。映画が観たくなる!ポッドキャストと合わせてみるといいです。
町山智浩のブログ→

宮崎駿の新作


 モデルグラフィックスで宮崎駿の雑想ノート「風立ちぬ」が連載されています。別に宮崎駿だからってわけじゃなく、「ふーんこんなことがあったんだ」という感じで楽しめる話です。あとその時代観というか世界観が読み取れるから入り込みやすいのかなと思いました。
 最近思ったのが、その時代にどういうものがあったのかっていうのが少なからずその時代の人の考え方や行動に影響してるんじゃないかと思います。例えばネットがない時代の人は今の私たちと考え方や行動のパターンが違っているのだと思います。じゃあどう違ってたのかと言うと難しくなるんだけれど。ただどこかに旅行に行きたいとか、何かを買う、ということにしたって、どういうやり方でそれを達成するのかとか間にどういう人が絡んでくるのかとか、そもそもそういう欲求のきっかけがどこにあるのかということについても違ってくるのでしょう。今の自分たちと違う環境にいる人たちが何を考えてどう振る舞うのかっていうのをリアルにイメージできたら物語ももっと面白いものになるのではないかとおもいました。