2009年10月17日土曜日

暗号についての本を読む〜量子物理学について

サイモン・シン『暗号解読(下)』を読みました。上はまだ読んでないですが時系列で書かれているので最近の事情について知りたかった私には(とは言っても原典は1999年だからもう十年以上前(!)の話なんですね(というか1999年が10年以上前っていう事実に驚きなんですが))ちょうど良かったです。章ごとに異なる話題を扱っているので下巻からでも楽しく読めます。特に面白かった部分は、鍵配送という難題について解決を見いだす場面などは、非常にエキサイティングでしたね。それから、話が量子コンピュータを使った暗号の話で、量子コンピュータが実現すれば、完全に解読不可能(理論上、現時点では)な暗号が生まれるんだとかいった話もとても興味深いものがありました。暗号が高度に発達した社会が一体どういうものになるのか考えることにとても興味があります。本の中でも言われていることですが、解読不可能であるということは、それは犯罪を行うためにも強力な道具になるということです。
 あと、この本の素晴らしいのは、量子物理学のような一見難しそうな考え方を非常にわかり安く説明してくれるところです。”シューレディンガーの猫”の話は、ちょっと残酷なたとえ話ですが量子物理学をわかりやすく解説してくれます。そういえば物理好き大学の友人だったか誰かがこの話を興奮気味にしてくれたことがあったのを思い出しました。そのときは確か意味が分からなくて何の興味もわかなかったのですが、今になって見識の甘さこちょっぴり後悔します。
 この前の連休は『トップをねらえ』を見ていました。話がとても面白かったのは言うまでもないですが、おまけの科学講座というのがまた興味をそそる話が多くて楽しかったです。70年代SFブームのときにマニアはこういう話を聞いてわくわくしていたんだろうなと思いを馳せます。その後グレンラガンを見ました。これも楽しめる。そしたら、グレン団がニアを救うためにアンチスパイラルの居場所を突き止めようとする場面があるんですが、なんだかわからないんですが居場所を突き止められるんですね。そのとき生体コンピュータになったロージェノムが量子宇宙がどうのこうのと説明するんですね。僕はそのとき「あっ、あの話(シューレディンガーの猫)だ」と思ったの。