2010年1月24日日曜日

向田邦子の


最近出張したのですが、何もやることがなかったので、というのは宿泊施設には、テレビがなくしかも相部屋なので話が尽きるとただひたすら本を読むか寝るかするほかないのです。生憎荷物に重量制限があるので、持って行けた本は二冊でそのうちの一冊が向田邦子の『思い出トランク』でした。これが非常によかった。向田邦子に興味を持ったのは、昨年乙事主こと森繁久彌さんがなくなられて、日曜日に追悼企画として、向田邦子脚本森繁久彌出演のドラマがやっていまして、これがものすごく面白かったんですね。自分がいま興味思っている感じにすごく調和してるんですね、それでいて話自体ものんびりしていて楽しめる。『だいこんの花』というドラマでした。
『思い出トランプ』は短編集ですが、どれも人物描写が、なんというかこういうのが向田邦子らしいというのでしょうか、でも自分には初めてだったのでとても面白いと思いました。自分は『大根の月』という話がとてもいいとおもいました。なんと言うか心の動きをうまく隠してるんですよね。それは自分が今できなくちゃいけないと思っている事とも通じていて、何かメッセージみたいなものを作品に込めたいのなら、それを普通に、例えば、文章とか登場人物に言わせたりとかしたら全然面白くなくなってしまうんですよね。作品の意味は作品自体に込められてるんじゃなくて、それを読む相手の心の中に浮かび上がってくるものと思うから、もし何か伝えたい事があるならそれを相手が感じるように書かなければいけない。
その流れで、年末年始は向田邦子×久世光彦の新春特別ドラマをやっぱいいわーと思いながら見ていました。最近は『ムー』にはまりそうです。毎回メインのストーリーはすごくシリアスな題材なんだけれど、脈絡なくコントみたいな感じが挿入されて、何かちょっと理解を超えてる感じが癖になりそうです。『時間ですよ』とか寺内貫太郎とかよく知らないですが、当時は割とこんな感じだったのでしょうか?

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