2010年9月26日日曜日

先日『歴史秘話ヒストリア』(NHK総合)の金城哲夫特集をみました。金城哲夫は沖縄出身の脚本家なのですが、ウルトラマンの中には彼が経験した戦後沖縄の本土との微妙な関係が写し込まれているというのです。「自分たち」でもあり「他者」でもあるウルトラマンは、宇宙人とと地球人との間に立ってときに苦しむんですね。それが戦後本土と隔てられ、その後の経済成長からも取り残された沖縄県民が抱くナショナリズムの複雑さと重なって見えると番組では説明しています。とくにウルトラセブンの脚本では、自己と他者のメッセージが強く重たい話が多くなってしまい視聴率はあまり高くなかったとか。でもこれって人類学が対象とする問題そのものなんですよね。
実は今までウルトラマンを全くみたことがなかったのですが、これ以来ウルトラセブンが気になってかりてみたんですが、面白いです。ウルトラマンって凶悪な宇宙人に立ち向かうっていう話ばかりかと思ってたんですが、自分たちより弱くて侵略するつもりのない宇宙人に対しても「人類のため」といって殺しちゃうんですね。そういうときに宇宙人と一心同体のダンは苦しむんです。
あと演出がかっこいいです。ああエヴァってこういうところに影響されてるんだなあというのをひしひしと感じます。特に『狙われた街』(メトロン星人)が秀逸でした。

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